リモートワークで地方移住はアリなのか?メリットデメリットを解説

岡山県真庭市で移住コンシェルジュをしているFUJIです。

リモートワークを導入する企業が増えてきましたね。

みなさんの中にも「会社がリモートワーク可能になったし、思い切って以前から興味のある地方移住に踏み切ってみようかな」と考えている方もいるのではないでしょうか。

でも、実際のところリモートワークでの地方移住はアリなのでしょうか。

今回は、リモートワークで地方移住することのメリット・デメリットを解説します。

リモートワークで地方移住しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

リモートワークで地方移住への関心は高まっている

リモートワークが普及したことで、地方移住への関心は高まっています。

データを用いて解説します。

リモートワークを導入する企業は増加している

東京都産業労働局が都内企業10,000社(従業員30人以上)を対象に行った調査によると、リモートワークの導入率は以下のように変化しています。

令和元年:25.1% → 令和2年12月:58.8%

また、リモートワークを導入している企業のうち、リモートワークの継続意向を持つ企業は80%以上という結果も出ました。

この調査から、リモートワークをポジティブに捉えている企業が増えていることがわかります。

出典:多様な働き方に関する実態調査(テレワーク)結果報告書(令和3年3月 東京都産業労働局)

リモートワーク経験者は地方移住への関心が高い

では、働く人々はどのように感じているのでしょうか。

株式会社リクルートが東京都内の20〜59歳の会社員2,479名を対象に行った調査によると、46.6%が「地方移住に興味がある」と回答しました(「とても興味がある」11.5%、「興味がある」35.1%)。

年代間の回答傾向に大きな差がなかったため、どの年代も一定数の人が地方移住に興味を示していることがわかりました。

 

また、地方移住に興味がある人に地方移住を考えるきっかけを聞くと、「リモートワークなどの柔軟な働き方が可能になったため」が43.4%と、最も高い結果となりました。

さらに、地方移住に興味がある人の中で、「3年以内に移住を実現したい」と回答した人は35.6%でした。

以上の結果から、リモートワークによって地方移住への関心が高まっているといえます。

今後はリモートワークを理由に、地方移住の動きが進んでも不思議ではありません。

出典:東京都民が移住・二拠点居住したいエリアランキング調査(株式会社リクルート)

リモートワークで地方移住するメリット3つ

それでは、リモートワークで地方移住するメリットを3つ解説します。

1 生活コストが下がる

1つ目のメリットは、生活コストが下がることです。

特に、地方は首都圏に比べて家賃が安い傾向があります。

総務省統計局の調査によると、居住用借家1ヶ月あたりの家賃は以下のようになりました。

順位
都道府県
家賃(1ヶ月 / 円)
1 東京 81,001
2 神奈川 68,100
3 埼玉 59,358
4 千葉 57,421
全国平均 55,695
5 大阪 55,636
46 青森 38,264
47 鹿児島 37,863

出典:平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(総務省)

 

首都圏の自治体が高いのに対し、地方は全国平均を下回っています。

また、産地が近いため、食材も首都圏に比べると安価で新鮮です。

私の暮らす岡山県真庭市でも、バレーボールほどの大きさの白菜が120円、1メートル近い大根が150円と、農産物はとても安いです。

このように、多くの地方では、生活コストを下げられる環境が整っています。

2 家族との時間が増える

2つ目のメリットは、家族との時間が増えることです。

リモートワークは出勤時間がなくなるため、その分を家族と過ごす時間に充てられます。

また、満員電車のストレスから解放されるので、よりリラックスして過ごせるでしょう。

穏やかな環境の中で家族と過ごせることは、地方移住の大きなメリットです。

3 移住支援金の対象になることがある

「移住支援金」とは、首都圏から地方移住する人で条件を満たした場合、最大100万円(単身者は60万円)の支援を受けられる制度です。

2021年からは、移住先でリモートワークを続ける人も支援対象になりました。

対象者の条件は以下の通りです。

  • 移住直前の10年間で通算5年以上東京23区在住、または東京圏から東京23区に通勤していた者
    ※直近1年以上は東京23区に在住または通勤していることが必要
    ※東京圏:東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県
  • 東京圏以外の道府県または東京圏の条件不利地域への移住者
  • 自己の意思によって移住し、移住先で移住前の業務にリモートワークで取り組む者

出典:移住支援金(内閣官房・内閣府総合サイト 地方創生)

リモートワークで地方移住するデメリット3つ

一方で、リモートワークでの地方移住にはデメリットもあります。

1 他の従業員とコミュニケーションがとりにくくなる

リモートワークでは対面でのやりとりが減るため、他の従業員とコミュニケーションがとりにくくなります。

同じ会社で働いているのに孤立しているように感じ、モチベーションの低下につながるおそれがあります。

そのため「ITツールを活用する」「定期的に出勤する」など、リモートワークでも円滑に仕事をするための工夫が必要です。

2 生活には車が必須

地方の生活には車が必須です。

地方は公共交通機関が不便なことが多く、ちょっとした買い物やお出かけは基本的に車。

1人1台持っているのが普通です。

移住する前に、必ず車を準備しておきましょう。

3 子どもの教育の選択肢が減る

家庭を持っている場合は、お子さんの教育についても考えておきましょう。

地方は首都圏に比べて、教育の選択肢が少なくなります。

特に顕著なのが高校です。

首都圏では普通科から専門科まで幅広い選択肢がありますが、地方では「進学なら〇〇高校」というように、選択の余地がない場所もあります。

例えば真庭市の場合、通学できる範囲には公立普通科が2校、私立は1校しかありません。

田舎になればなるほど、教育の選択肢は減少します。

子どもの将来も考えて、一度家族でじっくり話し合っておきましょう。

リモートワークで地方移住する手順

最後に、リモートワークで地方移住する手順を解説します。

手順① 情報収集

まずはインターネットや雑誌で情報を集めましょう。

特に重要なのが「リモートワーク環境のチェック」です。

具体的には、以下の点を確認しましょう。

  • 自宅へのインターネット回線の引き方
  • 地域のコワーキングスペースの有無
  • リモートワークをしている先輩移住者はいるか

調べてもわからない場合は、移住相談窓口に問い合わせましょう。

私のような移住コンシェルジュが、移住希望者の質問にお答えします。

最近ではオンライン移住相談窓口がある自治体も多いので、気軽に活用してくださいね。

手順② 現地に行く

情報がある程度集まったら、次に現地に行ってみます。

町の規模や雰囲気、気候、お店の場所など、「暮らし」の観点から地域を見てください。

情報収集の際にチェックしたコワーキングスペースにも訪れておきましょう。

また、移住体験ツアーなどを利用して、先輩移住者に話を聞くこともおすすめ。

具体的な暮らし方がイメージしやすくなります。

手順③ 住まいを決めてインターネット回線を引く

移住先を決めたら、最後に住まいを決めて移住します。

入居の際の注意点は、入居して数日以内にインターネット工事をしてもらうことです。

私も自宅で仕事をすることがあるので、真庭市に移住してからインターネット回線の工事を申し込みました。

しかし、工事日は問い合わせてから2ヵ月後。

需要が多すぎて、工事が間に合わないことが理由のようです。

そのため、インターネットが開通するまでは、近くのコワーキングスペースを利用する日々が続きました。

また、私の知り合いでも、インターネット工事に3ヶ月以上待った人が多くいます。

住まいが決まったら、早めにインターネット工事を予約しておきましょう。

まとめ

今回は、リモートワークで地方移住するメリット・デメリットを解説しました。

私は、リモートワークで地方移住するのはアリだと思います。

ただし、他の従業員と円滑にコミュニケーションがとれるなど、業務に支障が出ないことが前提です。

もしリモートワークで地方移住したいなら、まずは会社と相談して、体制を整えてから動きましょう。

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