岡山県真庭市で移住コンシェルジュをしているFUJIです。
「地方移住に興味があるけど、意外とお金がかかる」という悩みを抱えている方は多いでしょう。
そんなときに助けとなるのが、移住支援金です。
今回は、移住のときに役立つ移住支援金と、移住支援が手厚い自治体を紹介します。
地方移住を考えている方はぜひ参考にしてください。
国の「移住支援金(テレワークOK)」「起業支援金」
まずは国の「移住支援金」「起業支援金」について解説します。
どちらも「地方創生起業支援・移住支援事業」の一環として、2019年6月に始まった支援です。
起業支援金|地域課題に取り組む起業に最大200万円
「起業支援金」は、東京圏から地方に移住して起業する方を対象に、最大で200万円を支援する制度です。
事業の内容は、子育て支援や地域産品の活用、まちづくり推進など、地域の課題に応じたものが想定されています。
起業支援金の対象となるのは以下のすべての条件を満たす人です。
なお、「東京圏」とは、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県のことです。
<新たに起業する場合>
- 東京圏以外の道府県又は東京圏内の条件不利地域において社会的事業の起業を行うこと
- 公募開始日以降、補助事業期間完了日までに個人開業届又は法人の設立を行うこと
- 起業地の都道府県内に居住していること、又は居住する予定であること
<事業継承又は第二創業する場合>
- 東京圏以外の道府県又は東京圏の条件不利地において、Society5.0関連業種等の付加価値の高い分野で、社会的事業を事業継承又は第二創業により実施すること
- 公募開始日以降、補助事業期間完了日までに。事業継承又は第二創業を行なうもの
- 本事業を行う都道府県内に居住していること、又は居住予定であること
移住支援金|特定の中小企業に就職で最大100万円
「移住支援金」は、東京23区に在住または通勤する人が東京圏外へ移住し、都道府県が選定した中小企業に就職した場合、最大で100万円(単身者は60万円)が支援される制度です。
支援対象者は以下のすべてを満たす人です。
- 5年以上東京23区に在住、又は東京圏から東京23区へ通勤していた者
- 東京圏以外の道府県又は東京県内の条件不利地域への移住者
- 移住支援事業を実施する都道府県が、マッチングサイトに移住支援金の対象として掲載する求人に新規就業した方又は起業支援金の交付決定を受けた方
広島県のマッチングサイトは「Hiroshima Works」です。
東京圏から広島県に移住される方がHiroshima Worksに掲載されている企業に就業した場合、移住支援金の対象となります。
2022年3月現在で約580の求人が掲載されているので、気になる方はぜひご覧ください。
2021年度からはテレワークも移住支援金の対象に
新型コロナウイルスの影響で、地方に移住してテレワークに取り組む方も増えています。
そのため、2021年度からテレワークも移住支援金の対象となりました。
具体的には、「自己の意思によって移住し、移住先で移住前(東京)の業務を引き続き行う」人が支援対象となります。
「地方に移住したいけど、自分に合う仕事が見つかるか不安」という方に朗報ですね。
テレワークに興味がある方、会社がテレワークを推奨している場合はぜひチェックしてみてください。
移住支援が手厚い自治体ランキング
それでは、移住支援が手厚い自治体を紹介します。
「子育て」「住まい」「就業」の3部門で、それぞれ5つずつ取り上げます。
子育て支援が手厚い自治体
<大分県豊後高田市>
上限100万円の「子育て応援誕生祝い金」をはじめ、妊産婦医療費無料、高校生までの医療費無料、小中学校の給食費無料など、子育て支援が充実しています。
また、大分県外から移住する子育て世代への支援や引越し費用の補助など、定住促進支援があるのもポイントです。
<長野県宮田村>
子どもが生まれると、1人につき5万円〜の支援が受けられます(最大50万円)。
また、第2子以降の保険料を10割支援(実質無料)する制度も魅力。
小中学校入学時には、支援金(小学校入学1万円、中学校入学3万円)と通学かばんをもらえます。
<北海道沼田町>
「子育て満足度日本一」を目標に掲げ、各種支援金をはじめ、子育て環境の充実を図っています。
支援金は、1人あたり10万円が支給される「出産祝金」があります。
また、子育て支援センターや子育て交流広場のほか、子ども向けイベントも充実しています。
<島根県知夫村>
隠岐諸島にある島根県知夫村には、子どもや妊婦が通院するための交通費を支援する制度があります。
また、1人につき20万円が支援される「出産祝金」、高校生までの医療費無料制度もあります。
<長野県青木村>
生後6か月以上から保育園に入園できるのが魅力。
保育料も第2子は1/2、第3子以降は全額免除です。
また、チャイルドシートを購入するときの支援金もあります(上限1万円)。
住宅支援が手厚い自治体
<島根県飯南町>
町が用意した新築住宅を25年賃貸すれば土地と建物の所有権が譲渡される「定住促進賃貸住宅」が魅力。
若い夫婦や子育て世代が対象で、家賃は月4万円です。
出典:令和2年度定住促進賃貸住宅 入居者募集について(島根県飯南町)
<北海道赤井川村>
赤井川村に10年以上居住する方を対象に、住宅建設資金として最大300万円が支援されます。
さらに優遇措置として、3年間は固定資産税が半額になります。
<島根県雲南市>
3世代同居改修工事に100万円、耐震改修工事に20万円、エコ住宅改修に20万円、バリアフリー改修に10万円をそれぞれ上限として支援します。
また、子育て世代を対象とした家賃減額措置もあります。
<愛媛県大洲市>
60歳未満の方が空き家バンクに登録されている物件を購入・賃貸し、市内業者によって回収する場合、最大で400万円の支援が受けられます。
また、県外から移住する子育て世代を対象とした新築取得支援や空き家取得補助など、住まいに関する支援制度が充実しています。
<岐阜県中津川市>
住宅を取得する新婚世帯を応援する「新婚さん住まいる応援事業」が魅力。
住宅の購入や地域の木材を利用するなどの条件を満たせば、最大で100万円の支援が受けられます。
就業支援が手厚い自治体
<愛媛県西条市>
「起業」をテーマとして「地域おこし協力隊」を募集しています。
また、相談窓口や起業塾、セミナーの開催など、創業前後の一貫したフォローアップも魅力です。
出典:起業家を「地域おこし協力隊」として委嘱(愛媛県西条市)
<島根県奥出雲町>
農業にチャレンジしたい方を対象に、3つの農業体験コースを設置。
最長で1年間の農業体験ができます。
また、介護事業所や保育施設に就職する方に最大で50万円を支援しています。
出典:就職・就農(奥出雲町定住支援サイト Deep Town Okuizumo)
<愛媛県宇和島市>
豊かな海の幸を育てる森林を守る「フォレストワーカー(林業従事者)」を募集しています。
50歳未満の方が対象で、働きながら林業の技術や知識を学べます。
森に関わりたい仕事がしたい方は要チェックです。
出典:宇和島市林業従事者「フォレストワーカー」募集について(愛媛県宇和島市)
<大分県大分市>
事業所改修を上限100万円、賃借料を月5万円(年間60万円)支援する制度があります。
また、販売促進に関する経費を35万円、法人登記に必要な経費を5万円支援する制度があるのもポイントです。
出典:大分市創業者応援事業補助金の募集についてお知らせします(大分県大分市)
<岡山県真庭市>
私の暮らす岡山県真庭市では、市内で創業される方を対象に100万円を支援する「創業支援金制度」があります。
「まにわ創業塾」を卒業された方は、支援額が150万円に拡大します。
私も個人事業主として開業するときに利用しました。
必要なものをすべて揃えられたので、非常に助かりました。
まとめ
今回は国の移住支援金と、移住支援の手厚い自治体を紹介しました。
気になる制度や自治体は見つかったでしょうか。
移住支援金を知っているだけで、移住に対して少し気が楽になります。
「気になる移住候補地がある」「移住にかかる費用が不安」という方は、国や自治体の移住支援金を活用できないか、調べてみてくださいね。