こんにちは。とある地方都市で移住コンシェルジュをしているFUJIです。
都心で働いている方の中には「地元に帰って働きたい」と、Uターン転職を考えている方も多いでしょう。
Uターン転職には、慣れ親しんだ環境で働ける、親と一緒に暮らせるなどのメリットがあります。
しかし、しっかり準備せずにUターン転職すると後悔してしまうこともあります。
今回は、Uターン転職で後悔しやすいことと、後悔しないためのポイントを、移住コンシェルジュの立場から解説します。
Uターン転職を検討している方は、ぜひご一読を。
Uターン転職して後悔したこと①収入の減少
まず挙げられるのが「収入の減少」です。
Uターン転職すると、収入が減ることが多いです。
地方は給料が安い
基本的に、地方は都心に比べると給料が安いです。
そのため、安易にUターン転職すると年収が下がって生活が苦しくなることがあります。
地方は家賃や物価が安いため、生活費は都心より抑えられます。
しかし、車社会であるため、ガソリン代やオイル交換、車検など、車の維持にお金がかかります。
Uターン転職するなら、お金の使い方について考えた方がいいでしょう。
地元にいる友人や知人に、生活の様子を聞くのがおすすめです。
広島県と東京都の平均年収の差は100万円
では、地方と都心で平均年収はどれほど違うのでしょうか。
求人ボックスの調査によると、2022年1月時点で東京都の平均年収は約438万円、広島県は約332万円です。
約100万円の差がありますね。
しかし、東京都と広島県では生活スタイルや物価が異なるので、Uターン転職して生活ができなくなることはありません。
年収の下がり幅を事前に知っておくことで、Uターン後の生活にも適応しやすくなるでしょう。
(出典)
Uターン転職して後悔したこと②仕事の種類が少ない
2つ目の後悔したことは、仕事の種類が少ないことです。
地方は求人数が少ない
地方は都心に比べると人口が少ないため、企業の数が少ないです。
そのため、仕事の種類や求人数も少なくなります。
「Uターン転職したいから、とりあえず地元に帰った」という選択をすると、希望の仕事が見つからず困ってしまうこともあります。
「どんな仕事でも大丈夫」と思ってUターン転職しても、仕事内容や社風が合わずに辞めてしまった人を知っています。
その人は「農業がしたい」と言って、IT企業から農業法人にUターン転職しました。
しかし、体力仕事が合わず、半年経たずに辞めてしまいました。
Uターン転職では事前にどんな仕事があるのか、会社の雰囲気はどんな感じか確認しておくことが非常に重要です。
そして、転職の目途が立ってから動きましょう。
キャリアの評価基準が都市部とは違う
企業や求人の数が少ないことに加え、地方ではキャリアの評価基準が都会と違うことが多いです。
地方の企業では、高学歴・高キャリアの人材は「扱いにくい」「オーバースペック」という理由で敬遠されることもあります。
例えば、私は国立大学の大学院を修了しているため、入社前に「うちの会社で扱えるだろうか」と不安に思われていたと聞きました。
しかし、これまでの実績を卑下する必要はありません。
考えが違うことを念頭に置いて、「その会社で活かせる自分の強み」や「地域貢献への思い」を押し出していきましょう。
実際、私も「地域に貢献したい」という思いで一生懸命働いているうちに、社内で良好な人間関係を築くことができました。
Uターン転職して後悔したこと③生活環境の変化に対応できない
地方の生活環境は都心とかなり違います。
特に、学生時代から地元を離れている方は要注意です。
社会人として地元で生活すると、想像以上に困ることがあります。
商業・娯楽・文化施設が少ない
地方は商業・娯楽・文化施設が少ないです。
休日にショッピングモールや美術館に出かけようと思ったら、車で片道1時間以上かかることもよくあります。
私が住んでいる町からも、大型商業施設や映画館までは車で片道90分かかります。
行って帰るだけで1日仕事です。
また、美術館もないため、文化芸術を楽しむ機会も減りました。
Uターン転職する際は、今一度地元の施設について確認しておくといいでしょう。
生活には車が必須
地方は公共交通機関が発達していないため、車を1人1台保有することがほとんどです。
通勤や買い物、子どもの送迎など、車が必要な場面ばかりです。
そのため、ガソリン代やオイル交換、車検など、車の維持費がかかります。
雪が降る地域では、冬場のスタットレスタイヤの費用も必要です。
また、自動車免許を持っていない方は、Uターンする前に取得しておく必要があります。
ちなみに私が住んでいる町は、バスは1日6本、電車は2時間に1本しか走っていません。
そのため、利用者は学生や高齢者がほとんど。
通勤で使っている方はほとんどいません。
Uターン転職のメリット3つ
Uターン転職にはメリットもたくさんあります。主なものを3つ紹介します。
ストレスが減る
1つ目のメリットは、ストレスが減ることです。
地方では車通勤が多いため、都心のように満員電車に乗る必要がありません。
たとえ通勤時間が同じでも、自家用車と満員電車では感じるストレスがまったく違うでしょう。
また、豊かな自然が近いことも、ストレス軽減の1つの要因です。
地方では車で10~30分ほど走れば、緑豊かな自然に触れ合えます。
休日に自然の中でゆったり過ごすと、日頃の疲れやストレスが安らぎますよ。
両親の近くで暮らせる
Uターン転職すると、実家暮らし、または実家の近くに暮らすことになります。
そのため、両親の様子がすぐわかり、病気やケガなど、いざというときにはすぐに対応できます。
反対に、両親から子育てのサポートを受けることもできます。
家族で協力して暮らすことで、暮らしが充実するでしょう。
自治体によってはUターン転職のサポートがある
最近はUターン転職を積極的にサポートしている自治体もあります。
市役所などに移住窓口を設け、Uターン転職後の住居や仕事を斡旋しています。
また、引っ越し費用の一部を賄う補助金を出している自治体もあります。
移住相談会や自治体のポータルサイトで、事前に情報収集しておくといいでしょう。
Uターン転職して後悔しないためにすべきこと
最後に、Uターン転職で後悔しないためのポイントを3つ解説します。
Uターン転職の目的を明確にする
最も大切なポイントは、Uターン転職の目的を明確にしておくことです。
目的が明確になることで、情報収集や転職活動などの行動に移せます。
そして、Uターン後の生活でも、自ら考えて積極的に行動できるでしょう。
Uターン転職を考えている方は、Uターン転職を考える“きっかけ“があるはずです。
そのきっかけを、人に言葉で説明できるようにしておきましょう。
移住窓口を使って徹底的に情報収集をする
2つ目のポイントは、自治体の移住窓口を使って情報収集することです。
仕事の情報はもちろん、お金や暮らし、移住支援など、徹底的に集めましょう。
「地元だから大丈夫」と油断は禁物。
あなたが離れている間に、地元は変化しています。
特に進学で都心に出た人は要注意。
社会人として暮らす地元は、以前とはまったく別の地域に見えます。
地元だからと油断せず、事前に徹底的に情報を集めて、Uターン転職後の暮らしをイメージできるようにしておきましょう。
転職エージェントに登録する
3つ目のポイントは、転職エージェントに登録することです。
転職エージェントであれば、求人の紹介や面接のサポートなど、さまざまなサービスを受けられます。
また、転職エージェントの中には、Uターン転職に特化したサービスを行っているところもあります。
企業や求人数が少ない中で確実に希望する仕事に就くためにも、転職エージェントはおすすめです。
まとめ
Uターン転職は人生の大きな転換点です。
事前の準備を怠ると、Uターン転職したことを後悔するかもしれません。
逆にいえば、事前に丁寧に準備しておけば、Uターン転職後の生活も充実したものになるでしょう。
自分で考えて行動して得たものは、きっと無駄にはなりません。
ぜひ目的意識を持って準備をして、Uターン転職を良きものにしてくださいね。