岡山県真庭市で移住コンシェルジュをしているFUJIです。
これから就職活動を始める学生の中には、Iターン就職を考えている方もいるでしょう。
実はここ数年、新卒でIターン就職を目指す人が増えています。
そこで今回は、新卒でのIターン就職について、移住コンシェルジュの立場から解説します。
新卒でIターン就職はアリなのか?
そもそも新卒でのIターン就職はアリなのでしょうか?
結論から申し上げると、私は「アリ」だと思います。
その理由について解説します。
Iターン就職を希望する人は増えている
株式会社学情が2022年3月卒業(修了)予定の大学生・大学院生を対象に行ったアンケートによると、「UIターンや地方での就職」を希望する学生は、全体の半分近い47.4%。
2020年6月の調査(2021年卒業学生対象)と比べると、25.6ポイントも増加しました。
その中で、Iターン就職を希望する理由は以下の通りです。
- 必ずしも都市部に住んでいる必要を感じなくなったから(28.8%)
- 地方の求人に魅力を感じるから(24.0%)
- やりたいことの実現のため、地方での就職も視野に入れたいから(21.8%)
- テレワークで場所を選ばず仕事ができるから(14.8)
- 都市部で働くことにリスクを感じたから(12.0%)
このように、Iターンを含む地方での就職への関心は高まっています。
実際、私のところにも「Iターン就職をしたい」と言って移住相談に来る学生もいます。
理由を聞くと「魅力的な仕事がある」「やりたいことがある」という理由が多い印象です。
(引用)【2022年卒】「UIターンや地方での就職」を希望する学生が47.4%。2020年6月比25.6ポイント増。「家族の近くに住みたい」「地元のために、できることをしたい」の声。(PRTIMES)
Iターン就職を支援する仕組みがある
Iターン就職を支援する動きも広がっています。
具体的には、都市部でのUIJターン就職に関する相談窓口の設置です。
例えば、広島県は東京・大阪に相談窓口を設置しています。
専門の相談員が在中し、個別相談を受け付けています。
※2022年2月現在は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、対面相談は休止。電話・メール・WEBで対応中。
こちらではIターン就職の進め方や情報の集め方など、Iターン就職に関することを気軽に相談できます。
また、家族による相談ができるのもポイント。
Iターン就職を考えている方は、ぜひ活用してみましょう。
(引用)広島就職・UIJターン就職に関する相談は(ひろしま就活応援サイト GO!ひろしま)
新卒でIターン就職するメリット・デメリット
では、新卒でIターン就職するメリット・デメリットは何なのでしょうか。
新卒でIターン就職するメリット
僕が思う新卒でIターン就職するメリットは以下の通りです。
- 生活費を抑えられる
- 通勤でのストレスが少ない
地方は都会に比べると物価や家賃が安いため、生活費が抑えられます。
特に食料に関しては農業が身近にあるため、価格が安いうえに美味しいというメリットがあります。
私が暮らしている真庭市でも、直売所では1メートルに迫る大きな大根が120円だったり、刀のように立派なネギが100円だったりと、安い価格で並んでいます。
そのうえ、みずみずしくて美味しいです。
また、車通勤の地域が多いため、都心のように満員電車に毎日乗るようなことはありません。
仮に電車通勤でも、降りたい駅で降りられないほど満員になることはほとんどありません。
新卒でIターン就職するデメリット
一方で、新卒でIターン就職するデメリットは以下の通りです。
- 収入が低い
- スキルアップの機会に乏しい
まず、地方は都心で働くより年収が低いことがほとんどです。
2019年に国土交通省が行った調査によると、東京や大阪などの都市部に比べて、地方の給与水準は50~100万円ほど低い傾向にあります。
(引用)賃金、労働生産性の地域間格差
しかし、生活費が抑えられるため、生活が苦しいわけではありません
また、都市部では会社を超えた勉強会や研修がありますが、地方では会社以外で学ぶ場所は少ない傾向があります。
そのため、「スキルアップしたい」と思っている方は物足りなさを感じるでしょう。
ただし、最近はオンライン環境が充実しているため、学習環境は変わりつつあります。
新卒でIターン就職する流れ
では、新卒でIターンする流れについて具体的に解説します。
Iターン就職の目的を明確にする
まずはIターン就職の目的を明確にしましょう。
目的が決まることで、それに向かって積極的に行動することができます。
Iターン後のモチベーションにもつながるので、まずは軸となるIターンの目的を決めておきましょう。
情報を集める
Iターンの目的が決まったら、次に情報を集めます。
おすすめは、インターネットに加えて、移住相談窓口に問い合わせること。
自治体によっては私のような移住コンシェルジュを置いているところもあります。
インターネットで調べるだけではわからない、地域の暮らしや移住の進め方について、情報を得られます。
Iターン先を訪れる
ある程度情報が集まったら、Iターン先を訪れましょう。
ここで重要なのが、観光目線ではなく、”暮らし目線”で地域を見ること。
町の規模や雰囲気、気候、人々の様子など、現地でしかわからないことがあります。
必ず自分の目で確かめておきましょう。
就職活動をする
Iターン先の雰囲気をつかめたら、本格的な就職活動を始めます。
求人サイトや企業のホームページなどを活用して、Iターン就職先を探します。
そして企業に応募して、採用試験に挑みます。
長距離の移動が伴うので、万全の体調で本番に臨むためにも、余裕を持ったスケジューリングをしておきましょう。
住まいを探して移住する
仕事が決まったら、最後に住まいを探して移住しましょう。
住まいは、必ず仕事が決まってから探してください。
先に住まいを決めてしまうと、希望する企業に行けなかった場合や、家賃が給料に合わなかった場合などに後悔してしまうからです。
住まいは必ず最後に決めましょう。
新卒でIターン就職する時の注意点
最後に、新卒でIターン就職する時の注意点を紹介します。
移動を考えたスケジュール管理
Iターン就職には長距離移動が伴うため、スケジュール管理が大切です。
説明会や選考に万全の体調で参加できるよう、前日に現地入りするなど、余裕を持ってスケジュールを組みましょう。
「1週間滞在して数社受ける」など工夫しましょう。
交通費・宿泊費への対策
Iターン就職では、移動や宿泊に費用が必要です。
無計画に何度も往復していると、予想以上にお金がかかってしまいます。
そのため、スケジュール管理と一緒にお金の管理をすることも大切です。
企業によっては就職活動の際の交通費・宿泊費を負担してくれるところもあるので、事前にチェックしておきましょう。
また、乗り放題切符や高速バス、夜行バスを上手く活用するのもおすすめです。
その地域を選んだ理由を明確にしておく
Iターン就職では、その地域を選んだ理由を明確にしておきましょう。
企業側にとっては、「どうして出身でもないこの地域を選んだのか」と疑問に思うからです。
中には「地方の生活に馴染めず、すぐに辞めてしまうかも」と、リスクを感じる採用担当者もいるでしょう。
地域を選んだ理由を明確に伝えられれば、企業側も納得し、採用につながりやすくなります。
ライフプランを考えておく
少し将来の話になりますが、ライフプランも考えておきましょう。
数年先には結婚して、家族を持つ可能性もあります。
そのため、子育て環境についても、Iターン前にチェックしておきましょう。
まとめ
新卒でIターンする人は増えています。
しかし、Iターン就職には念入りな準備が必要です。
これからの社会人生活を実りあるものにするためにも、Iターン就職のメリット・デメリットを理解し、丁寧に準備してください。
そうすれば、地方で活躍できる未来が待っているでしょう。